おそらく世界で一番有名なレースゲームといえば「GRAN TURISMO」シリーズです。サブタイトルで「THE REAL DRIVING SIMULATOR」と謳っているだけあって、ほかのレースゲームと比べてもリアルなレースを体験できます。ただ、売れているがゆえに「誰でも楽しめる」ことが前提としてあるため、少し雑なハンドル操作でも走れてしまうなど、実車で走りを楽しんでいる人からすると満足のいかないところも多々あります。

一方で、ひたすらリアルなドライビングを追求しているソフトもあります。その2トップがプロ御用達の「rFactor」と「Assetto Corsa(アセットコルサ)」です。どちらも2010年代初頭の発売で、グラフィックこそグランツーリスモには劣りますが、物理エンジンが素晴らしくて、挙動がかなりリアルです。rFactorのコースはレーザースキャンで精密に再現されており、コントローラー越しでもサスペンションの動きやタイヤのヨレを感じられます。ただ、UIが使いづらく、収録コースや車種も少ないのが難点です。

対してAssetto Corsaのほうは、拡張性が高く、自分好みにカスタマイズしていくことができます。世界中のファンがコースや車を作っているので、思いつくものを探したらだいたい見つかります。挙動もrFactorに負けず素晴らしく、むしろ路面の質感はAssetto Corsaのほうが感じやすいような気がします。

これまで「GRAN TURISMO」、「rFactor」、「Automobilista」、「Dirt Rally」、「F1」、「Project CARS」、「FORZA」、「RaceRoom Racing Experience」、「iRacing」などいろいろ触ってきましたが、圧倒的に好きなAssetto Corsaの魅力をご紹介します。


豊富な車種・コース

まず、車種やコースがほかのゲーム・シミュレーターの比にならないほど多いです。デフォルトで収録されているもの自体はそれほど多くもないのですが、MODをダウンロードして入れることで増やせます。しかもほとんどが無料。もちろん有料のものもあり、そちらはかなりの高クオリティ。有料とは言っても数百円〜1,000円を超えないことが多いので良心的です。


リアルな挙動

グランツーリスモで速く走るためには理想的なライン取りをしたり、縁石に乗り上げたりすればいいのですが、Assetto Corsaで下手に縁石に乗り上げるを姿勢を崩してスピンします。ニュル北コースのストレートなんかも、路面が荒れていて真っ直ぐ走ることさえも難しい。レーザースキャンのコースもあり、路面が正確に再現されています。

タイヤのシミュレーションもされていて、摩耗具合はもちろんのこと、温度でも走りが変わります。スタート直後にタイヤが冷えていると滑りまくるあの感じもかなりリアル。タイヤの温度はもちろん、路面温度や風によってもドライビングが変わります。

何よりサスペンションのシミュレーションが素晴らしくて、車の挙動を感じられます。もちろん、その情報を受取ることができるのはハンドルコントローラー(以下、ハンコン)だけなので、実車と同じように運転することはできないのですが、ハンコンからの情報だけでも車の姿勢がわかります。


ナチュラルなグラフィック

発売は2014年なので少し古さは感じますが、変に綺麗にしようとしていない自然な印象です。そして動作が軽いので、そこまでハイスペックなPCでなくとも高フレームレートを維持できます。これ、かなり重要なポイントで、少ない初期費用で始められるということです。


VR対応

なんとVRにも対応しています。GT SPORTだとフリー走行しかできませんが、Assetto CorsaはレースもVRでできてしまいます。VRにすると遠近感や路面の起伏が分かりやすくなって、よりリアルな感覚で走れます。


時間と天候

深夜の首都高を走るR34

プラグインを入れることで、時間や天候を操作できるようになります。夜の首都高や、雨の峠など、自分好みの設定で走れるのも魅力です。路面温度や風向き、風の強さもコントロールできます。


初期費用が少ない

Assetto Corsaの本体価格は2,000円ほどですが、よくSteamのセールで80%オフになっています。セールを利用すれば、本体が500円くらい、アドオン付きのUltimate Editionでも3,000円くらいで手に入ります。

ハンコンはピンきりですが、古い機種のLogicool Driving Force GTならメルカリやヤフオクで5,000円前後で手に入ります。クラッチやシフト操作もしたい方にはLogicool G27がおすすめです。こちらは中古で20,000円前後。よりリアルなドライブをしたい方はThrustmaster T300RSがおすすめです。こちらは新品で50,000円ほどしますが、路面の感じ方が全然違って最高です。

パソコンもピンきりで、どこまでのグラフィックを求めるかによって変わってきます。ある程度MODも入れながら画質を上げて楽しみたいとなるとCPU:第7世代Core i5以上、GPU:GeForce GTX1060 6GB以上、メモリ:16GB以上は必須になりそうです。とはいえ、このレベルでも10万円台前半で揃うので、サーキットに5回くらい行く費用でそこそこのシミュレーター環境が手に入ります。中古なら50,000円前後で手に入れることもできます。

ということで、最低限のラインから始めようとすると以下のような費用ですかね。

  • PC:50,000円(第7世代Intel core i5、メモリ16GB、GTX1060相当を中古で)
  • モニター:20,000円(24インチくらい)
  • ハンコン:5,000円(Driving Force GTを中古で)
  • Assetto Corsa:1,000円(年に何回かあるsteamのセールを狙う)

すでにゲーミングPCを持っている方ならガソリン満タンにするより安くAssetto Corsaを始めることができますね。


まとめ

Assetto Corsaは2014年発売のシミュレーターですが、MODで拡張することで進化を続けています。これまでいろいろ試した中でも圧倒的にリアルで飽きないソフトです。もちろん、実車とは感覚が違いますが、コースや速く走るコツを覚えるには十分。初めていくサーキットの予習にもピッタリです。

ちなみに、Assetto CorsaにはPS4版もありますが、こちらは別物と考えたほうがよさそうです。リアリティが劣りますし、MODを入れて拡張することができないので、PC版にしましょう。